バイリンガル子育て

アメリカで出産しても「出産育児一時金」をもらえる方法。

日本では、赤ちゃんを出産の際に「出産育児一時金」がもらえますが、アメリカではそのような手当てはありません。

しかし、アメリカで出産しても出産育児一時金をもらえる条件さえクリア出来れば、受給する資格があります。実際に、筆者が一人目の出産時に出産育児一時金を受け取れたので、その時に行った必要な手続きを説明したいと思います。

アメリカで「出産育児一時金」をもらう方法!

出産育児一時金

出産育児一時金でもらえる金額は?

現時点(7/17/2020)の支給額は子供一人に対して42万円ですが、妊娠週数が22週未満の場合または産科医療補償制度対象出産では無い場合(*1)は、40万4千円(平成26年までは39万円)となります。

*1) 筆者の場合は、産科医療補償制度対象出産扱いとなり39万円の受給でした。

例) 双子の場合 42万円 x 2人= 84万円

帝王切開の場合は、この42万円に加えていくらか出た人もいるようなので、加入している保険組合に問い合わせてみて下さい。

また、もし社会保険に加入している場合は、社会保険を通して申請した方が受給額が高額になる場合が多いそうです(保険センターからの情報)。

では、出産育児一時金受給条件を見ていきます。

出産育児一時金の受給条件

出産育児一時金の受給条件は以下となります。

  1. 国民健康保険に加入
  2. 母子手帳の取得
  3. 妊娠4ヶ月(85日)以上で出産 (流産、死産含む)
  4. 出産翌日から2年以内に申請

上記の条件で難しいのが、①国民健康保険に加入②母子手帳の取得す。

① 国民健康保険に加入

駐在の方などで国民健康保険(または社会保険)に入り続けている場合はラッキーですね。

大抵の人は、アメリカ移住する直前に海外転出届を市に出して、国民健康保険からも同時に抜けてしまいます。確かに日本に住まない期間、国民健康保険代を支払い続けるのは馬鹿バカしいです。でも、もし日本にまだ働いている家族がいる場合は、扶養家族」として国民健康保険にタダで加入することができます。

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注意) 但し、旦那さんも本人も日本での収入がない事を前提にお話ししています。

国民健康保険代も払っていないのに、保険代を支払っている妊婦さんと同じ金額の出産育児一時金(正確には家族出産育児一時金)がもらえるなんて、支払ってる側からしたら何なの?!(怒)って思いますが、厚生労働省が定めたルールに基づいたものです

では、扶養家族になれない場合はどうしたら良いか。

本人が日本に帰国した際に、市役所にて国民健康保険に加入できます。

必要な国民健康保険の加入期間

保険センターによると、

出産日当日に国民健康保険に加入するだけで、出産育児一時金を受給できるそうです!!

たったの保険期間1日ですよ。。。

日本、凄いですね。少子化のお陰でしょうか。

なので、日本に里帰りして日本で出産する場合も出産日当日までに国民健康保険に加入すれば出産育児一時金の受給資格が得られます。

国民健康保険に再加入

もし、一旦日本に帰国するチャンスがあれば、

海外転出届を出してしまって住民票の登録が無い場合でも、パスポートを市役所に持参して帰国した日付がわかるページを見せたらまた住民票に登録ができるので、国民健康保険に加入出来ます。

また、市役所の担当者の話によると、例えば1〜2ヶ月など夏休みのうちだけ日本に帰国する人達が国民健康保険に入りたい場合は、住民票登録をしなくても加入手続きが可能の場合があるとのことです。(case by case)

もちろん日本国内全ての市役所にてそのような対応をしてくれるとは限りませんが、外国人や帰国子女などが多い地域では、そのような手続きに慣れているのでOKが出やすいのかなと感じました。

もし、出産育児一時金を取得する事だけを目的に住民票登録をしようと考えている方は、住民税や年金の支払いなど色々と手続きが発生してしまうので、その点も考慮しなくてはいけません。市役所に相談の上、自分にとってベストな方法を取ったらよいのではと思います。

② 母子手帳の取得

2つ目の受給条件は母子手帳の取得です。

母子手帳

筆者の場合は、妊娠12週目の時に一時日本に帰国したので、その際に母子手帳を取得しました。

幸い、筆者の場合は住民票は留学中から実家のままで、国民健康保険に加入し続けている状況でした。

保険に加入し続けた理由としては、歯が弱くしょっちゅうアメリカの歯医者で高額な治療費を払う羽目となっていた事から、帰国した際にも歯の治療が出来るように保険をキープしていました。

また、海外転出届を出していなかったため、年金手続きに関しては母に苦労をかけてしまいましたが、お陰様で出産育児一時金の受給資格が自動的に得られました。


母子手帳の取得に必要なもの

これは市によって多少違うかもしれませんが、筆者の場合は以下2点の提出を求められました。

  • 健康保険証
  • 産婦人科からもらった妊娠診断書(英語可) *2
     *2) 予定日の記述が必要でした。

もしアメリカの産婦人科で妊娠診断書のような書類(妊娠予定日の記載があるもの)をもらえていなかった場合は、日本国内の産婦人科にて一度診断を受ければ母子手帳がもらえるとの事でした。

③ 妊娠4ヶ月(85日)以上で出産 (流産、死産含む)

3つ目の条件は、妊娠4ヶ月以上で出産することです。

④ 出産翌日から2年以内に申請

4つ目の条件は、出産翌日から2年以内に申請をすること。

まぁ2年間もあれば、例え慣れない育児で多忙だとしても十分な時間だと思いますので、
保険会社からの請求書に多少時間がかかっても見逃すリスクは低いかと思います。

また、日本の病院で出産した場合は、病院に直接支払われるのですが、アメリカの病院で出産した場合は、指定した口座に直接振り込まれる手続きが必要となります。

  • 国民健康保険に加入
  • 母子手帳の取得
  • 妊娠4ヶ月(85日)以上での出産
  • 申請は出産翌日から2年以内

申請に必要なもの

出産育児一時金の申請に必要なものは加入している保険組合により多少異なりますが、
筆者の場合は以下が求められました。

因みに、出生届(Birth Certificate)は1ヶ月くらいで届きました。
出生届の翻訳は筆者自身でやりました。

  • 申請書
  • 健康保険証コピー
  • 母子手帳
  • 印鑑
  • 口座番号
  • Birth Certificate (出生届)コピー
  • Birth Certificate 日本語訳* (翻訳者の名前、住所も記載)
  • 保険会社からのメディカルビル

健康保険組合により提出物が多少違うので、事前に確認が必要です!

* 出産した本人が翻訳してもOKでした。

参考文献: 厚生労働省: 出産育児一時金の支給額・支払方法について
英語版: 出産育児一時金の直接支払制度の利用に関する説明書 PDF

まとめ

以上アメリカで出産しても出産育児一時金をもらえる方法の紹介でした。

アメリカで出産にかかる費用は、人それぞれ保険のカバー率や出産方法にて大きく異なります。
普通分娩で出産する予定が、病院で出産中に急遽帝王切開に切り替わる事は多々あります。

もし、出産育児一時金の受給条件を無理なくクリアできる方はアメリカで出産しても受給可能なので、わざわざ日本に帰国して出産する必要はありません。

また、産まれてくる子供はアメリカ市民も得られるし、将来アメリカ留学をしたいと言った場合に多額の学費(留学生はローカルの人の数倍かかります)を支払わずにすみますので将来の投資にもなります。

アメリカと日本のどちらで出産するか悩んでいる方にとって少しでも有益な情報となれば嬉しいです。