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アメリカのキンダーで学ぶ英語の内容
この記事では、アメリカ現地校のパブリックのキンダー(幼稚園)で学ぶ英語の内容についてまとめています。キンダーで学ぶ算数の内容については以下の記事をご参考下さい。
アメリカのキンダーは一年間しかないのですが、小学1年生になる為の準備期間になります。ここで紹介する英語の内容・レベルはアメリカ合衆国のうち41州が適用しているCommon Core States Standardsによるものです。黄色い州に住んでいる方やプライベートの学校に通われているお子さんの場合はこのスタンダードが適用されませんので英語の内容は多少変わってきます。
それでは、アメリカ現地校で学ぶ英語の内容についてお話ししていきます。
アメリカのキンダーで学ぶ英語のカテゴリー4つ
アメリカ現地校の幼稚園で学ぶ英語は文法など基礎を学ぶ①Standard Englishの他、②Reading、③Writing、④Speaking and Listeningのカテゴリーに分かれて評価されます。
- Standard English
- Reading
- Writing
- Speaking and Listening
実際にはそれぞれが関連して勉強する事になるのでリーディングやライティングの授業といったように分かれて勉強するわけではありません。あるストーリーを読んだ後にクラスでディスカッションをし、お互い理解を深めたところでストーリーについての意見など書いたりします。
それでは、アメリカのキンダーで学ぶ英語の基礎からお話ししていきます。
① Standard English (英語の基礎)
英語の基礎
アメリカの幼稚園で学ぶStandard Englishを大まかにリスト化してみました
(注意: これが全てではありません)。
Standard English
- 大文字と小文字のレター
- 頻繁に使われる名詞や動詞
- 通常の複数形の言葉(dog, dogs; wish, wishes)
- 疑問文を理解し使う(What, When, Who, Which, Where, How)
- 前置詞を使う(to, from, in, out, on, off, for, of, by, with)
- きちんとした文章表現を使う
- 文章の始めと代名詞の始めは大文字
- 句読点(“.” “?” “!”)を認識
- CVC wordsを書く((子音-母音-子音) ex. cup, map)
- Phonics(フォニックス)
- 発音をもとに簡単な言葉をスペルする
- 言葉の意味をカテゴリー別にする
アメリカ現地校の幼稚園で学ぶ英語の基礎はABCの大文字・小文字の練習から始まり、単語の複数形の言い方、疑問詞、前置詞、頻繁に使われる名詞や動詞などを覚えていきます。
また、フォニックス(Phonics)も学ぶので初めて見た単語の発音を自分で読めるようになる練習をします。そして、英語の文法的な事も少し勉強するのですが、話す時にはちゃんと完結した文章で話すことを心がけるようにします。
尚、キンダーではCVC(Consonant Vowel Consonant)の単語、つまり(子音-母音-子音)の短い単語をたくさん学びます。学ぶと言っても絵を見ればほとんどが知っている単語なのでスペルの仕方を学ぶと言った感じです。
そして、よくRhyme(ライム=韻)探しのゲームをします。以下はアメリカのKUMONの問題集ですが、”_at”の音の単語の集まりです。よくRhyming Words(ライミング ワーズ)を見つけて書くという宿題が出ました。
これらのStandard Englishの内容をリーディング、ライティング、スピーキング&リスニングで強化していくといった感じです。
次に、キンダーから一番力を入れているReading(リーディング)の内容についてお話しします。
②Reading (リーディング)
リーディングにはLiterature(文学)とInformational Text(ノンフィクション)が出てきますが、テキストを読んだら話の内容を把握しクラスでディスカッションをします。
読解力を身に付け意見を述べる
何か本や書物を読んだ後に必ずするのが読解力のチェックです。キンダーで学ぶリーディングの課題内容を以下にまとめました。
- 本のタイトル、前と後ろのカバーを識別する
- 著者とイラストレーターの名前を認識する
- 物語のkey ideaや内容について質疑応答をする
- それぞれのキャラクターの役を把握し議論する
- 物語の出来事を起きた順に話す
- 知らない単語は質問する
- どんなタイプのテキストか認識する(物語、詩、ニュース etc.)
- 他の物語で似ているキャラクターなどと比較する
- 読解力を深める為にグループで読む
- 流暢に読む
メインのお話の内容は何だったのか、そのストーリーで起きた出来事は何か、ストーリーの中で起きたいくつかの出来事を起きた順番に自分の言葉で説明し、そのストーリーに対して自分は好きか嫌いか、好きならどういうところが良かったのかなど意見を述べます。
ですから、リーディング→スピーキング&リスニング→ライティングといった流れで勉強をする際に「リーディング」だけの授業という風に区切りはつけません。
コチラは息子が実際にキンダーでDr. Seussの”Green Eggs and Ham”というお話しを読んだ時のものですが、リーディングの後にクラスの子達とディスカッションをし、その後にライティングの作業といった感じで進みます。
キンダーではまだライティング力がほとんど無いので絵を描いて表現を補う事が多いです。
また、リーディング力をつける為に必要不可欠なのがSight Word(サイトワード)の暗記です。
Sight Word (サイトワード)
キンダーの一番始めはABCのレターの読み書きの練習から始まりますが、大文字小文字のレターを認識できてもまだ一つ一つの単語での読み方というのはわかりません。そこで一番大事になってくるのがSight Word(サイトワード)の暗記です。
Sight Wordとは、読書をする際に頻繁に出てくる単語のことで、学年が上がるにつれ覚える数も増えていきます。日本だと漢字を覚えていく感覚と思っていただけたらわかりやすいでしょうか。
キンダーで暗記しなくてはいけないsight wordは学校で多少違うと思いますが息子のクラスで課題となったのが以下の単語でした。
the | how | she | look |
a | to | be | have |
it | come | see | but |
for | you | on | here |
of | with | are | this |
I | go | got | one |
in | and | we | can |
me | that | up | said |
he | his | they | do |
is | my | play | did |
am | at | like | all |
これらのSight Wordsの暗記が必須となる背景には理由があります。
英単語をスペルする際、大体75%くらいが英語の発音に基づいてスペルできるのですが(この事をRules of spellingと言います)、約25%くらいは例外で発音に基づかないスペルとなる為英語がネイティブの子でも暗記をしなくては読めません。
上記のようなSight Wordsは1ページの中でも繰り返しよく出てくる単語の集まりなので、一度覚えてしまえばどの本を読んでも部分的に読めることになります。
息子はリーティング力が一番弱かったので、このようなフラッシュカードもAmazonで買ってみました。キンダーの時に1st grade用のを買ったので1年生になっても使える感じです。
AmazonでSight Wordsのフラッシュカードを探す–>Amazon
③Writing (ライティング)
ABCを大文字と小文字で書けるようになったら次は②のリーディングでお話したSight Wordの書く練習をします。
WH words(疑問詞)
Sight Wordの中でも重要なのがWH wordsと言われる疑問詞で、What, When, Where, Which, Who, Howです。
これらの疑問詞は相手に対して質問をする際に必ず使う言葉なので、ライティングだけでなくスピーキング&リスニングでもディスカッションをする際に頻繁に使われます。
実際に息子がキンダーのクラスでやったドリルがコチラです。
“how”の書く練習をし、たくさんある単語の中から’how’を見つけ出し、見つけた”how”の数を数え、”how”を使った文章を正しい順に並べ替えます。
キンダーではハサミとのりを使って紙を切り貼りする作業をよくするのですが、息子は面倒くさかったのか切り貼りをせず自分で”How are you?”と書いています。(笑)
また、こちらでは sight wordの”how”を使って絵の中にある動物を数えさせる問題なので算数の要素も入っています。
パソコンでTyping(タイピング)
息子が通う学校ではキンダーから週1でパソコンの授業が行われるのですが、パソコンでタイピングの練習もします。
④Speaking and Listening(スピーキング&リスニング)
スピーキングとリスニングは英語の環境で育っていない子は最初戸惑いますが、数ヶ月もすれば先生やクラスメートの言っている事が大体わかるようになっているはずです。
Speaking(スピーキング) & Listening (リスニング)
キンダーでは、先生や他の人の話しを聞けるマナーを学び、話す時はそのトピックから逸れないようにし、明確にはっきりと話すことが求められます。
- 他の人が話している時は自分の番が回ってくるまで邪魔をせずちゃんと聞くこと
- 色々な人とキンダーで学ぶトピックについて会話に参加する
- はっきりと話す、意見や感じたことなど明確に表現する
- 自分が知っている人、場所、物、出来事などについて説明する
- わからない事があれば質問をし明確にする
最後に
この記事では、アメリカ現地校のキンダーで学ぶ英語の内容についてまとめました。
アメリカの教育ではキンダーからとにかく本を読むことが一番大事と言われています。毎日寝る前に10分でもいいから親が子供に本を読んであげる事でリーディング力が大分変わってきます。
また、英語がネイティブのアメリカ人も本を読めるようになるにはSight Wordsの暗記が必須です。
このリーディングのスキルが勉強全ての基礎になると言っても過言ではないと思いますので、キンダーのうちから自分で読めるようになる練習を親子ですると良いのではないでしょうか。