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[最新2022年]アメリカのタックスリターン(確定申告)の基礎情報。

この記事では、最新2022年のアメリカの個人のタックスリターン(確定申告)についてお話したいと思います。

2022年の個人の確定申告の期限は4/18/2023です!!

アメリカでお仕事をされている方、大学のキャンパスでアルバイトをされている方々も含めタックスリターンが初めてという方は是非参考にして頂ければと思います。

2022年アメリカのタックスリターン(確定申告)基礎情報

Tax Return

アメリカのタックスリターン(Tax Return)は個人の責任で毎年申請をしなくてはいけません。

毎年CPAにタックスリターンをお願いする人もいれば、Turbo Taxのようにタックスリターン専用のソフトウェアを買ってきて自分でeFileする人もいるでしょう。

今年初めてタックスリターンをファイルされる方の為に、確定申告が必要な2022年の最低限の総所得についてお話しします。また、総所得が一定金額を満たなくても申告しなくてはいけないケースも色々あるのでいくつか例に出して説明していきたいと思います。

それでは、以下のポイントに絞って解説していきます。

  1. 確定申告が必要な最低限の収入金額
  2. その他の理由で確定申告が必要なケース

タックスリターンが必要なケース①

総所得がある一定の金額を超えた場合

payroll statement

総所得(Gross Income)がその年に控除される金額(standard deduction)よりも多い場合、タックスリターンをファイルしなくてはいけません。

雇用主から翌年の1月〜2月頃に送られてくるW-2に総所得(Gross Income)の情報が載っていますので、W-2が届き次第タックスリターンの手続きを始めましょう。

総所得(Gross Income)には、会社から支払われた給料だけでなく、自分の家を売って得た収入や親からもらった財産、人からもらった商品やサービスなども含みます。また、アメリカ国内だけでなく海外で得た収入も全て含まなくてはいけません。

また、この控除額というのは確定申告する際のステータスと65才以上か以下で変わってきますので、以下のリストをご覧ください。

▪️65才以下の場合(2022年)

Filing Status (ファイリングステータス)Gross Income (総所得)
Single (独身)$12,950
Married filing jointly (夫婦合算申告)$25,900
Married filling separately (夫婦個別申告)$5
Head of household (世帯主)$19,400
Qualifying widow(er) (扶養の子供がいる寡婦または寡夫)$25,900

2022年は、Single(独身)で65才以下の方の場合Standard Deductionの金額が$12,950ですので、1年間の総所得が$12,950以上あった場合には確定申告が必要です。

結婚していて夫婦合算申告の場合は、独身者の2倍の総所得$25,900以上となります。

尚、結婚しているけども夫婦で別々に申告をする場合には、年齢に関係なく$5以上の収入が対象となりますのでほぼ確実に申告をしなくてはいけないという結果となります。

以下は65才以上の場合です。

▪️65才以上の場合(2022年)

Filing Status (ファイリングステータス)Gross Income (総所得)
Single (独身)$14,700
Married filing jointly (夫婦合算申告)$28,700 (*1)
Married filling separately (夫婦個別申告)$5
Head of household (世帯主)$21,150
Qualifying widow(er) (扶養の子供がいる寡婦または寡夫)$27,300
(*1) 一人が65才以上で一人が65才以下の場合は$27,300。

65才という年齢ですが、2022年のファイリングをする場合は、1958年の1月1日までに生まれた人が対象となるので、実際12/31/2022ではまだ64才でも65才の資格が得られます。

では、この総所得が上記のリスト以下だったらタックスリターンをファイルしなくて良いかと言いますと、必ずしもそういうわけではありません。もしいくらか所得があったのであれば、還付金の可能性があるかもしれないので還付金目的の為に確定申告をされる事をお勧めします。詳細はタックスリターンが必要なケース④をご参考下さい。

筆者は大学生の頃キャンパスでバイトをしていましたが、当時タックスリターンのやり方がよくわからず気が付いたら締切の期限が過ぎてしまい、タックスリターンをファイルしなかったせいで本来返金されるべきtaxを手にする事なく大学生活を終えた悲しい思い出があります。(苦笑) 無駄に多く税金を払ってそのまま放置とか今なら考えられませんが、タックリターン専用のソフトウェア(Turbo Tax)さえ買っちゃえば質問に答えていくだけで簡単にファイル出来ちゃうので絶対にファイルするべきです。

 次に子供や扶養家族のタックスリターンについて説明します。

タックスリターンが必要なケース②

子供とその他の扶養家族”Dependent”のタックスリターン

children

子供が小さいうちは自然と扶養家族”dependent”として扱われるのですが、大学生くらいになってバイトとか始めてくると収入額によりタックスリターンをファイルしなくてはいけない項目に引っかかってきたりします。また、親が退職して扶養家族に入った場合も同じです。

▪️独身で65才以下で盲目でない場合(2022年)

項目金額
(1)Unearned Income (不労所得)$1,150
(2)Earned Income (勤労所得)$12,950
Gross Income (総所得)(1)$1,150 or (2)+$400の大きい方($12,550 max)

▪️独身で65才以上または盲目の場合(2022年)

項目金額
(1)Unearned Income (不労所得)$2,900
(2)Earned Income (勤労所得)$14,700
Gross Income (総所得)(1)$2, 900or (2)+$2,150の大きい方($12,550 max)

▪️独身で65才以上で盲目の場合(2022年)

項目金額
(1)Unearned Income (不労所得)$4,650
(2)Earned Income (勤労所得)$16,450
Gross Income (総所得)(1)$4,650or (2)+$3,900の大きい方($12,550 max)

もし扶養者が結婚をしているけども夫婦別々にタックスリターンをファイルしitemize deductionを適用される場合、扶養者の総所得が$5以上ある場合は確定申告をしなくてはいけません。そしてこの扶養者が65才以下でも以上でも盲目であったとしてもこの$5という金額は変わりません。

但し、夫婦別々にタックスリターンをファイルするけどもitemize deductionを適用されない場合は$5の総所得ルールは当てはまらず、以下の金額に基づいてファイルをしなくてはいけません。

▪️既婚で65才以下で盲目でない場合(2022年)

項目金額
(1)Unearned Income (不労所得)$1,150
(2)Earned Income (勤労所得)$12,950
Gross Income (総所得)(1)=$1,100 or (2)+$400の大きい方($12,550 max)

▪️既婚で65才以上または盲目の場合(2022年)

項目金額
(1)Unearned Income (不労所得)$2,550
(2)Earned Income (勤労所得)$14,350
Gross Income (総所得)(1)$2,550 or (2)+$1,800の大きい方($12,550 max)

▪️既婚で65才以上で盲目の場合(2022年)

項目金額
(1)Unearned Income (不労所得)$3,950
(2)Earned Income (勤労所得)$15,750
Gross Income (総所得)(1)$3,950or (2)+$3,200の大きい方($12,550 max)

次に最初に説明したタックスリターンが必要なケース①の総所得には当てはまらないけどもその他の理由で確定申告をしなくてはいけないケースについて触れていきます。

タックスリターンが必要なケース③

総所得以外で必要な条件

総所得の金額に関係なく、以下7つのケースのうちどれか一つにでも当てはまった場合も確定申告をしなくてはいけません。

確定申告が必要なケース
  1. Special Taxを払わなくてはいけない
  2. HSA、Archer MSA, Medicareなどある
  3. Self-employeedで$400以上のNet収入がある
  4. 協会から$108.28以上の給料をもらった
  5. Premium tax creditの前払いがあった
  6. Health Coverage Tax Creditの前払いがあった
  7. Section 965(transition tax)

①のspecial taxには以下6つの項目が含まれます。

  • A)Alternative Minimum Tax (AMT)
  • B)Additional tax on qualified plan (ex. IRA)
  • C)Household Employment Taxes
  • D)Social Security and Medicare Tax
  • E)Write-inTaxes
  • F)Recapture Taxes

例えばCのHousehold Employement Taxesは、個人の家で家政婦、メイド、ベビーシッター、ガーデナーなどの従業員を雇っていた場合、現金で支払った金額が$2,400(2022年の場合)を超えた場合、7.65%のFICA Tax(=6.2% social security tax+1.45% medical tax)を支払う義務があります。

また、③のself-employeedでNet収入が$400以上ある場合ですが、例えばベビーシッターのアルバイトなどをして一年間で$400以上稼いだ場合、それが兄弟の子供のベビーシッターだったとしても確定申告をしなくてはいけません。

それでは次に総所得がstandard deductionに満たなくても還付金目的の為にファイルを必要とするケースがいくつかあるのでそちらについても解説していきます。

タックスリターンが必要なケース④

還付金目的のタックスリターン

money pix
上述で説明したタックスリターンが必要なケース①に当てはまらない場合でも、還付金目的の為にタックスリターンを申請した方が良いケースについてお話しします。

以下のリストのうちどれか一つにでも当てはまる場合はタックスリターンを申請する事をお勧めします。よく使われるのは①から③です。

返金目的
  1. Earned Income Credit(EIC)
  2. Additional Child Tax Credit
  3. American Opportunity Credit (AOC)
  4. Credit for federal tax on fuels
  5. Premium Tax Credit(PTC)
  6. Health Coverage Tax Credit(HCTC)

①Earned Income Credit(EIC)

このクレジットは低所得者の為に作られたものです。色々とルールがあり、全てのクライテリアをパスすれば還付金をもらえます。ベーシックルールは、勤労所得があり、AGIが毎年定められた金額以下である事、申請者が25才から64才の間である事、Social Security Numberがある事、アメリカ市民またはレジデンスである事、taxをファイルする年のうち半年以上アメリカに住んでいる事、そしてDependent(子供やその他の扶養家族)の数でも還付金額が変わってきます。但し、ファイリングのステータスが夫婦別々に申告をする際には適用できません。

②Additional Child Tax Creditについて
classroom

2022年の年度末時点で17才未満の子供がQualifying Childになります。Nonrefundable credit(返金不可)として一人につき$1,000までChild Tax Creditの恩恵を受けられるのですが、そもそもtaxの金額がクレジットの金額を越えていない場合は全額返金額として計算されません。しかし、この②のAdditional Child Tax Creditはrefundable(返金可能)なので、もしかしたら追加の還付金があるかもしれません。

③American Opportunity Credit (AOC)

AOCは大学の教育費用の還付金です(大学院やPhDなどには使えません)。2017年に消滅すると言われていましたが未だまだ残っています。計算方法はForm8863にて算出します。フルタイムの学生でしたらMaxの$2,500クレジットされる可能性が高いです。

また、この教育費用の定義はQualified Educationにて記載されていますが、学費(tuition)以外に、授業で使われるテキストブック代(キャンパス外で購入した場合もOK)も含まれますが、ドミトリーなどの部屋代や交通費、保険などは含まれません。

④Credit for federal tax on fuels
Tax free for fuels

一般人の多くはこのクレジットを使う事はないのですが、ガソリンの種類によってはtaxがかからないものがあります。Dyed Dieselと言って赤い色のディーゼルはtaxがかからないので1ガロンにつきいくらといった計算で返金されます。但し、この種類のディーゼルは一般道路で使う事が禁止されている事から、農家で使われるトラクターや重機、発電機などの利用者が対象となります。

 ⑤Premium Tax Credit(PTC)

PTCは低所得者に対するhealth insurance購入分のクレジットで、Form8962を申請しなくてはいけません。世帯収入が連邦貧困レベル(federal poverty line)の100~400%までという規制があるのですが、例えば大学生が夏に卒業して秋から職に就いた場合、その年の世帯収入が少ないのでこの貧困レベルに引っ掛かる可能性があります。

但し、ファイリングのステータスが夫婦別々に申告をする際には適用できません。

⑥Health Coverage Tax Credit(HCTC)

HCTCも健康保険に関するクレジットですが、クレジットをもらえる人はTAA(米国貿易調整支援制度)のベネフィットを受けられる人またはPBGC Pension benefitsを受けられる人なので一般人にはあまり使えません。

次にタックスリターンの締切日についてお話しします。

タックスリターンの締切日

通常の締切日

翌年の4月15日が締め切りとなるのですが、4/15が週末なので4/18/2023(月曜日)が締切日となります。

確定申告締切日: 4/18/2023

最後に

初めてアメリカの個人のタックスリターンをファイルされる方には少し複雑で理解しがたいところがあるかと思いますが、特別なケースでない限りTurbo Taxなどソフトウェアを使えば質問に答えていくだけでtaxの返金額または支払額が自動計算されるのでいたって簡単です。しかもそのままeファイリングすれば支払いまたは返金もセットアップできちゃうので誰でも簡単にできちゃいます。