アメリカの健康保険に加入する際または年に一度の更新の際にHealth FSAに年間でいくらデポジットするかを決めれますが、そもそもHealth FSAの存在を知らない人や使い方がイマイチわからない、FSAの口座は開いてみたものの、病気になる事も怪我する事もなく結局全然使わなかった。今からどう使い切るの?
という方々の為にHealth FSAの活用法についてお話ししたいと思います。
目次
アメリカの医療費用に使えるHealth FSA(Flexible Spending Account)」とは?
Health FSAとは?
Health FSA(Flexible Spending Account)とは、医療費専用の積立口座の事を言います。
FSAにはタイプが二つあり、医療費に利用できるHealth FSAと子供のデイケア代やシニアケアなどに利用できるDependent Care FSAがあります。
健康保険に加入する際または更新の際に、1年間でどのくらいのメディカル費用がかかる予定なのか、どのくらい子供のデイケア代がかかる予定なのかを計算し、いくらFSAにデポジットするかを決めます。
この記事では医療費用に使えるHealth FSAについて解説しますので、子供のデイケア代に使えるDependent Care FSAについては以下の記事をご参考下さい。
Health FSAの開設
Health FSA(医療費積立口座)は雇用主が会社でSet upしてくれていないと利用できないのでどの会社に勤めていても利用できるものではありません。しかし、多くの会社でHealth FSAを用意しているので健康保険の加入の際に確認できます。
Health FSAで節税できる金額
Health FSAで節税できる金額には制限があり、毎年金額が若干変わります。
2019年は年間で一人$2,700までTAX控除する事が可能でした。共働きの場合は$2,700×2=$5,400まで。
2020年は年間で一人$50上がり、$2,750までTAX控除する事が可能です。共働きの場合は$2,750×2=$5,500まで。
このFSAにデポジットする金額というのは、従業員の給与からtax控除前に差し引かれるので、約30%くらいのtaxを節約できるという事になります。
例えば、年間で医療費、歯医者の費用、眼科費用などで合計$1,000は使うという場合、$1,000のデポジットで約$300(Taxが30%の場合)節税した事になります。
注意)Taxのレートは給与額と働く州により変わりますので計算される際はご自身のTaxレートで計算して下さいね。
それでは、Health FSAの使い方について解説していきます。
Health FSAはどんなアイテムに使えるのか
例を出すと切りがないですが、以下のようなアイテムがFSA対象アイテムとなり、節税効果を得られます。
- <Health FSA対象アイテム>
- 医療費
- 薬(処方箋あり)
- 歯医者の治療費
- 眼科費用
- コンタクトレンズ
- 目薬
- コンタクト液
- co-pays
- 鍼治療
- カイロプラクテック
- Physical therapy
- First Aid (絆創膏など)
- コンドーム
- 日焼け止めクリーム
Babyアイテム
- Lansinoh breastmilk storage bag(母乳保存バッグ)
- Lansinoh Nursing Pads (母乳パッド)
- ブレスパンプ
- Prenatal vitamin
- 妊娠検査薬
- 体温計
一番驚いたのが、なんと日焼け止めクリームもFSAアイテムとして認められているという事です。
WalgreensやCVSなどのドラッグストアのwebsiteで「FSA」と検索すると、FSAアイテムとして認められている商品が出てきます。コチラはCVSのサイト上でFSAを検索した時に出てきたスクリーンショットです。
© 1999 – 2019 CVS.com
恐らく普段ドラッグストアで買い物している時はどのアイテムがFSAアイテムかなどいちいち確認はしていないと思いますが、このようなカテゴリーの物は全て節税効果を得られる物なので、まだFSAアカウントに残高が残っている方は消失する前に消費しちゃいましょう!
Health FSAの種類
まずは、Health FSAアカウントには3種類のタイプがありますので、あなたが入っているタイプがどちらのものなのか確認しましょう。
Rule① Use It or Lose It (使い切らないと無くなってしまう。)
“Use It or Lose It”は、12/31までに全て使いきらなければFSAに残っている残高は全てゼロになるというルールです。
せっかく毎回の給与から差し引かれてメディカル費用に使おうと思っていたのに使いきれずに無くなってしまったら凄い損ですよね。
私はまだ一人目の子が2才の頃、いったい一年間で家族でいくらくらいのメディカル費用(保険でカバーされないdeductible)がかかるのか予想がつかず、FSAに多めにお金を入れていました。
気付けば$300程使う事なく12月の最終週が来てしまいました。。。
このままではせっかくtax savingをしようとして貯めた$300が水の泡になってしまうので、最終手段としてWalgreensのサイトでFSAアイテム対象商品の中から普段使うものを探し出し、12/31の夜ギリギリにその$300を使いきることができました。
その時のレシートのコピーがコチラ↓
12/31の夜11:48PMギリギリにレシート受領。
私は普段コンタクトレンズを使用しているのでコンタクト液を大量に買いました。もし眼科の処方箋がまだ有効であればそれを利用してコンタクトレンズの購入もできたのですが、あいにく有効期限が切れており利用できませんでした。
残りは絆創膏などといったFirst Aidのもの、目薬、Lansinohの母乳パッドや母乳保存バッグなどなどを購入しました。
Rule② Grace Period 2.5ヶ月 (2ヶ月半の猶予あり)
会社によっては、FSAの消費期間を翌年の3/15まで延長してくれる場合もあります。
但し、3/15を過ぎたらFSAの口座に残っているお金は全て失われてしまいますので早目に使い切るのをオススメします。
Rule③ Carry over up to $500 ($500まで翌年に繰り越し可)
会社によっては、FSAの残高$500までなら翌年にcarry overできるというルールがあります。このルールが適用されるかどうかはHRに確認して下さいね。
ですので、現在$700の残高があった場合は、$200分を12/31までに消費してしまえば残りの$500は来年中に使えば問題ないという事になります。
FSAの利用方法
Debit カードがある場合
会社によっては便利なFSA用のDebit Cardを用意してくれたりします。
ドクターズオフィスや歯医者、眼科、ドラッグストアなどで直接支払いができるのでレシートのコピーを提出する必要が無いのがメリットです。
© 2019 WageWorks, Inc.
普通のVISAカードと使い方は同じですが、ドラッグストアなどでFSAアイテムでない物も一緒に購入した場合は跳ねられてしまいますので、FSAアイテムとそうでない物は分けて支払いする必要があります。
Reimbursement (払い戻し)タイプ
会社によってはreimbursementタイプしかチョイスが無い場合があります。
例えば雇用主を通してCignaという保険会社に加入している場合、以下のようなReimbursement Request Formに記入してFSAアイテムを購入した時のレシートのコピーと一緒にオンライン上で提出をします。
そうすると、数日後にその分のお金が指定された口座に入金されます。
Reimbursementの提出期限も会社によって違いますので、12/31までなのか、3/15までなのか(2.5ヶ月のGrace Periodがある場合)HRに確認しましょう。
Reimbursement(払い戻し)方式の場合、FSAアイテムを購入した際のレシートのコピーを期限日までに提出しなくてはいけませんのでHRに期限日を確認しましょう。
最後に
この記事ではHealth FSA(Flexible Spending Account)の使い方について解説しました。
翌年までcarry over出来ない方は年末までにうまく消費しちゃいましょう。
また、雇用主でHealth FSAの口座を作るオプションがあるのに利用した事の無い方は、次回保険の更新の際に一年間でいくらメディカル費用に使うか計算してうまく節税しましょう。