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アメリカのキンダーで学ぶ算数 (幼稚園編)
この記事では、アメリカ現地校のパブリックの幼稚園で学ぶ算数の内容についてお話したいと思います。幼稚園(略してキンダー)と言っても、アメリカはキンダーが一年しかなく、大抵小学校内にクラスルームがあり小学1年生になる為の準備期間になります。
キンダーは5~6才の子の集まりなので日本の小学1年生よりも7ヶ月程早く算数の勉強が始まるのに、日本の算数教育の方が最終的には断然進んでいるのはなぜか。どこでどう追いつかれているのかなど、実際に筆者の息子が現地校で学んでいる算数内容を元に調査していきたいと思います。
また、ここで紹介する算数レベルはアメリカ合衆国のうち41州(黄緑色のエリア)が適用しているCommon Core States Standardsによるものです。
アメリカの幼稚園で学ぶ英語の内容については以下の記事をご参考下さい。
それでは、アメリカ現地校で学ぶ算数の内容についてお話ししていきます。
© 2019 Common Core State Standards Initiative
アメリカのキンダーで学ぶ算数内容
一番最初は1から10、1から20、1から30などといったカウンティングから始まります。
キンダーを卒業するまでに習得していなくてはいけないのは以下の内容です。
① Counting & Cardinality (カウンティング&基数)
キンダーではzeroからone hundredまで数えられること、10,20,30と10単位の数値で数えられること、そして数の大小の比較を言葉を使って表現することを求められます。
もしお子さんが日本語で0から100まで数えられるなら、英語でzeroからone hundredまで数えられるようになるのも比較的早いと思います。数える練習は家でもできるので、英語が第二ヶ国語の場合には100までカウントさえできるようにしておけばすぐにキャッチアップできます。
- 0〜20まで書ける
- 20まで物を数えられる
- 0~20の与えられた数字を元に物でその数を表せられる
- 100まで与えられた数字から数えられる
- 100まで10ずつの数値で数えられる(10, 20, 30 etc.)
- 物を比較してgreater than、less than、equal toを使って数を言える
② Geometry(幾何学=きかがく、図形)
次にキンダーで学ぶ図形ですが、それぞれの形の名前を言えるだけでなく、2次元図形や3次元図形を色々な角度から見た時に、どこの面が他のタイプの図形と同じ形かなど認識できなければいけません。
また、物のポジションを言葉で表現することも求められます。
- 図形(四角、丸、三角、長方形、六角形、立方体、円錐、円柱、球体)の形を識別できる
- 物の位置を以下の言葉を使って表現できる
(above, below, beside, in front of, behind, next to) - 2次元図形及び3次元図形を分析、比較、または作る事ができる
③ Measurement and Data (メジャー&比較)
物の量や重さの比較、長さの比較など目で見て判断をします。そして↑の写真でもわかるよう、以下のような比較表現も習います。
longer/shorter than,
taller than, as tall as,
lighter/heavier than,
2年生になると実際に定規を使って物の長さを測ったりするようですが、キンダーではそこまではしていませんでした。
- 計れる物同士を比較して記述する
- 物を分類し、カテゴリー別に分けて数えられる、そしてカウント毎にカテゴリーを並び替えられる
④ Operations & Algebraic Thinking (足し算、引き算)
絵を使って足し算と引き算のコンセプトを学び、プラスとマイナスのサインも学びます。
また、キンダーでは指でも数えられるくらいの足し算、引き算をやりますが、日本の小学校のように計算式の問題をガッツリやったりはしないので、本当に基礎の基礎を学ぶくらいのイメージです。
- 足し算を物を使ったり絵を書いたりして表現できる
- 引き算を物を使ったり絵を書いたりして表現できる
- 5以下の足し算
- 5以下の引き算
↓こちらは引き算の簡単なテストですが、別に一人一人に丸つけをするようなテストではなく、復習としてできるかどうか皆と一緒にやるといった感じです。
⑤ Number and Operations in Base Ten
キンダーでは2桁の数の基礎を学びます。
例えば、11は10と1から成りたっているということ。
12は10と2から成りたっているという、この10と何かでできているというコンセプトを学びます。
- 11~19の数を、10+●と表現できる。(例: 13=10 + 3)
↓このように、わかりやすく絵付きで計算式を書きます。
筆者の息子の担任の先生からは、この3学期で学ぶ10+●のコンセプトが凄く大事と言っていた記憶があります。
大人からすると当たり前と思ってしまうのですが、算数の基礎を知らない小さな子供からすると、こういうベーシックなコンセプトすら知らないところからスタートをしているんだなと思い知らされました。
以上がアメリカ現地校のパブリックの幼稚園で学ぶ算数の内容でした。
まとめ
アメリカの幼稚園で学ぶ算数のレベルは学校によって多少差はあるでしょうが、大体のレベルはあまり変わらないと思います。
実質これらの内容をおよそ10ヶ月(8~6月)で学ぶわけですが、キンダーレベルは本当易しいなと思いました。
但し、これから小学生に上がってグレードが徐々に上がるにつれ、英語で書かれている文章問題が読めないと問題自体何を聞かれているのかわからないという壁に当たってしまうので、英語の読解力もそれまでにつけなくてはいけないという事を先輩ママから聞きました。
算数が好きな子でも英語が苦手なせいでできなくなってしまうのは本当に勿体ないので、英語の読む力はキンダーのうちから徐々につけていくのが大事ということです!
小学1年生で学ぶ算数の内容はこちらを参照して下さい。