バイリンガル子育て

なぜそんなに母乳育児が勧められるのか。赤ちゃんとママへのメリット8つを紹介。

breastfeeding benefit

日本でもアメリカでも、粉ミルクよりも母乳を勧める病院・クリニックは多く感じます。筆者は第一子を混合(母乳+粉ミルク)で育てており、第二子はほぼ完全母乳で育てました。

一人目は男の子で良く飲む子でした。

二人目は女の子で、一人目程飲む量は少なかったお陰で粉ミルクを足すことはほぼ無かったと記憶しています。とは言え、母乳が出るまでの生後一週間くらいは粉ミルクを同時に与えていました。

米国小児科学会(American Academy of Pediatrics=略してAAP)では、生後6ヶ月間は完全母乳育児を勧めているようです

しかし、母乳は誰でも出るわけではないですし、遺伝的な問題で少量しか出なかったり、高齢出産だと尚更早い段階で母乳が出なくなったりもします。最初から何が何でも完全母乳で育てるんだという意識は持たない方が、授乳でストレスを感じる事が減るのではと筆者は考えています。

まずは、なぜそんなに母乳育児が勧められるのか、”母乳のメリット“を調査してみました。

母乳育児:赤ちゃんへのメリット5つ+ママへのメリット3つ

まずは母乳育児の赤ちゃんへのメリットから紹介していきます。

1. 色々な病気から赤ちゃんを守ってくれる。

baby-sleeping

世界中で、生後6ヶ月間完全母乳で育った赤ちゃんは粉ミルクで育った赤ちゃんと比較して、下記の病気にかかりにくいかかったとしても症状が軽いという調査結果が出ています。

  • ear infections(中耳炎)
  • meningitis(髄膜炎)
  • unitary tract infections(尿路感染)
  • bacteremia(菌血症)
  • diabetes(糖尿病)
  • lower respiratory illnesses(下気道の病気)
  • lymphoma(リンパ種)
  • necrotizing enterocolitis(壊死性腸炎)

参考文献: 米国小児科学会

アメリカの国立環境衛生化学研究所(National Institute of Environmental Health Sciences=NIEHS)によると、生後6ヶ月間母乳のみを与えられた赤ちゃんは、母乳を全く与えられなかった赤ちゃんと比較して、生後28日から1才の間に亡くなるリスクが20%下がるという結果が出ています

これは、特に初乳(英語ではcolostrum:コロストラム)に多く含まれている免疫グロブリンAまたの言い方はIgA抗体という成分が、赤ちゃんの腸、鼻、喉などの粘膜を保護し、細菌の侵入を防いでくれているからです。

産後一週間程して成乳になると母乳に含まれるIgA抗体の量はぐんと減りますが、IgA抗体は母乳でしか摂取できない非常に貴重な成分の為、どんなに少量の母乳でも赤ちゃんに与える価値は十分あると思われます。

初乳(しょにゅう)とは、産後に一番初めに出てくる母乳のことです。黄色かクリーム色っぽい色をしていて、少しドロッとしています。産後一週間前後で成乳(せいにゅう)に変わり、母乳の質感はサラサラで色も白っぽい半透明な白色に変わっていきます。

2. アレルギーになりにくい。

母乳のみを生後6ヶ月間与えられた赤ちゃんは、牛のミルクやソイミルクの成分が含まれている粉ミルクのみを摂取した赤ちゃんと比較して食べ物などのアレルギーを発症させる確率が低い傾向にあります。

理由は1と同じで、母乳に含まれるIgA抗体が腸管に層を作り炎症を抑える働きをしてくれるので、IgA抗体を摂取することでアレルギーの発症する確率を下げることに繋がります

3. 知性を高める可能性がある。

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多くの研究者が、授乳は知能発達に何らかの繋がりがあるという発見をしています。ある研究では、17,000人以上の乳幼児を生まれてから6才半までの間フォローし続け、IQスコアや知能テストの結果、授乳のみを生後6ヶ月間与えた場合、知能発達が著しく改善したと報告されています

また、約4,000人の5才の子供達に語彙のテストを受けさせた結果、赤ちゃんの頃に母乳で育った子供達、特に授乳期間が長ければ長い子供のほうが、高得点を獲得したそうです。

4. Obesity(肥満)から守ってくれる可能性がある。

母乳に含まれるインスリンの量が粉ミルクに対して少ないことから、10代または成人になった時に太りにくいという分析報告があげられています。

5. SIDS(乳幼児突然死症候群)のリスクを下げる。

2009年に発表されたドイツでの研究によると、母乳のみ与えられた赤ちゃんは、生後1ヶ月の段階でSIDSのリスクが半分に減ったと報告されています。

※SIDS=Sudden Infant Death Syndromeとは、1歳未満の元気な赤ちゃんが突然理由もわからず亡くなってしまうケースの事で、アメリカでは毎年およそ1,600人の乳幼児(特に生後6ヶ月未満)がSIDSを理由に亡くなっています。

母乳育児はママへのメリットもあります。

6. ママのストレスレベルを下げ、産後うつ病になるリスクを下げる。

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NHI(米国国立衛生研究所)の調査によると、産後授乳をしなかった女性または早い段階で授乳をやめた女性は、産後うつ病になるリスクが高いという結論結果を報告しています。

授乳の際にリリースされるOxytocin(オキシトシン)というホルモンが、産後のママをリラックスさせてくれる作用があるそうです。

オキシトシンは産後の子宮収縮を助けてくれるので、産後の出血量を抑えてくれます。またある研究結果では、授乳中(breastfeeding)のママは哺乳瓶でミルクを与えているママと比較して低血圧という調査結果も出ています。

授乳中は赤ちゃんを抱っこしていて身動きがとれないことからスマホに夢中になるママ達が増えていますが、せっかくの赤ちゃんとの繋がりの貴重な時間なので大切にしたいものです。

7. カロリー消費が早く体重が減る。

母乳は100mlに対して約66kcal消費するので、運動をしなくても1日で300~500kcal消費する計算となります。

毎日授乳するだけで妊娠前の体重に完全に戻る人はあまりいないでしょうが、筆者は10キロくらい妊娠で増加しましたがいつの間にか妊娠前の体重くらいに戻っていたので、母乳育児が効いたのだと思います。

8. 乳癌になるリスクが下がる可能性がある。

アメリカでも日本でも、授乳すればするほど乳がんになるリスクが下がるという研究結果が出ています。

日本乳癌学会は、出産と乳がん発症の関連性について以下のように解説しています。

授乳経験のない人は,授乳経験がある人に比較して乳がん発症リスクが高いことは確実です。授乳の期間が長いほど乳がん発症リスクが低くなることも確実です。

ただし,授乳経験があるから,もしくは長く授乳したからといって,乳がんにならないということではありません。また,授乳経験がない人や,短期間しか授乳しなかった人が必ず乳がんになるわけでもありません。

Source: https://jbcs.gr.jp/guidline/p2016/guidline/g1/q04/

「乳房再建ナビ」の情報によると、日本人女性で乳がんになる確率は50年前は50人に1人だったのに対し、現在は14人に1人と大幅に増加しているそうです。乳がんを発症した人のうち、およそ30%の人が乳がんを理由に亡くなっているそうです。

また、日本での乳がん発症増加の背景には、①食生活の欧米化による肥満の増加②女性の社会進出による未婚、高齢出産の増加が挙げられています。

特にアメリカで生活していると、魚よりも肉を食べる習慣が自然と増え肥満になりやすいのは事実です。なお、アメリカでは育児休暇は最長で3ヶ月しかとれない会社が多いことから、早い段階で卒乳して仕事に復帰するママが多いです。筆者も第二子の出産時は産後3ヶ月になった日に仕事復帰をしなくてはいけませんでした。

母乳が出ている間は、無理のない程度に授乳したり搾乳して乳がんのリスクを下げたいものです。

完母の赤ちゃんはビタミンDの摂取が必須

母乳育児のメリットを上記で記載しましたが、完母の場合はVitamin Dが不足するので毎日授乳する際に1〜2ドロップ赤ちゃんに以下のようなサプリを与えないといけません。(小児科でもこのような説明は受けているとは思います)

逆に粉ミルクを与えている場合は既にVitamin Dが含まれているタイプがほとんどなので敢えてあげる必要はありません。

筆者は小児科に勧められたCarlsonの以下のサプリをあげていました。

哺乳瓶に入れてもいいし授乳の際に口元付近に垂らしてもいいですし、毎朝一回あげる習慣を付ければ忘れないかと思います。


Carlson-Baby’s Super Daily D3

まとめ

以上、母乳のメリット8つのご紹介でした。

授乳は赤ちゃんとママにとってベネフィットがありますが、完全母乳育児は容易ではありません。

アメリカでは日本のように母乳マッサージをしてくれる人は基本いませんが、出産した病院などでLactation Consultant(ラクテーション・コンサルタント)が母乳育児についてアドバイスをしてくれます。出産直後、入院中に産まれたばかりの赤ちゃんと一緒に授乳のクラスを受けられますので、2日間という短い入院期間中(帝王切開の場合は3〜5日)に何度か利用することをオススメします。

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<参考文献>
Baby Center
http://nyubo-saiken.com/cancer/
http://www.nyu-gan.jp/cause/