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新型コロナウイルス・パンデミックの危険レベル
新型コロナウイルスにおいてWHO(世界保健機関)は3/11/2020にパンデミック(PANDEMIC)と表明。
日本でもパンデミックという言葉をあちこちで聞くようになったと思いますが、果たしてこのパンデミックというレベルがどれだけ恐ろしいレベルのものかわかっていない日本人が多く感じます。
アメリカと日本でのこの危機感の温度差はいったい何なのでしょう。
感染拡大のレベルは、アウトブレイク<エピデミック<パンデミックの順に上がっていきます。それぞれどれぐらいのレベルなのか簡単に説明したいと思います。
まずは、一番低いアウトブレイクのレベルから。
1. Outbreak (アウトブレイク)
アウトブレイクとは、一定の期間にある特定された場所(病院や学校など)で通常予想される数以上の感染症が突然発生する事を言います。
アウトブレイクという言葉自体幅広い意味があり頻繁に使われますが、危険レベルで言うと一番低い段階となります。
日本では、感染爆発とか感染集団発生、病院内で感染した場合に院内感染などとも言われます。
アウトブレイクより危険レベルが上がるとエピデミックと呼ばれます。
2. Epidemic (エピデミック)
エピデミックとは、ある一定の期間にある特定された地域またはコミュニティーで通常予想される以上の感染症が発生する事を言います。
1のアウトブレイクとほぼ同じ意味ですが、アウトブレイクよりも広い地域をさしており、より多くの人々がもっと早いスピードで感染していく為、アウトブレイクよりもはるかに危険度が高い状況の事をさします。
実際に日本の歴史上でもこのエピデミックに当てはまる感染症があります。
735年から737年にかけて日本で流行った天然痘(痘そう=smallpox)では、当時の日本の人口の約3分の1であった約200万人が亡くなりました。今では皆予防接種のお陰で発症したり感染したりというリスクはありません(1980年にWHOによる根絶宣言あり)。
他には2013~2016年に西アフリカで流行ったエボラや2015~2016年に流行ったジカウイルス(Zika Virus)などが例です。
3. Pandemic (パンデミック)
パンデミックは、2のエピデミックよりも更に感染地域が広まった状態で、多くの国で大勢の人達が感染する事を言います。
まさに今世界中に広がってしまって誰にも止められない新型コロナウイルスの感染状況がこのパンデミックです。
どこの国に逃げても年齢に関係なく誰もが感染してしまうリスクがあり、インフルエンザなんかよりもはるかに死者率の高いCOVID-19。
一番最近で起きたパンデミックは2009年のH1N1(A型インフルエンザウイルス)ですが、学校が閉鎖されたり全米レベルでのStay home orderなどといったケースは全く無かったので、新型コロナウイルスがどれだけ強烈なのかわかります。
また、歴史上過去最悪のパンデミックは、1918年のスパニッシュフルーです。
あの有名な映画Twilightを見た人なら誰もが知っていると思いますが、主人公のエドワードがバンパイアになった理由がこのスパニッシュフルーで亡くなりかけた為。当時の世界の人口の約3分の1が感染し、5,000万人以上の人々が亡くなりました。
New Contributed Photographs Collection/Otis Historical Archives/National Museum of Health and Medicine
世界の人口で3人に1人が感染すると言う事は、家族のうち最低一人は感染するくらいのレベルです。新型コロナウイルスがどれだけ感染率の高いウイルスかもう明確ですよね。
自分は大丈夫!などと他人事だと思っている場合ではありません!!
どうかもっと真剣に受け止めて頂きたい。
まとめ
日本でも4/7/2020に緊急事態宣言をし、ようやく7都府県にて自粛生活がスタートしました。ニューヨークの感染状況からすると明らかに遅すぎるスタートとなりましたが、日本在住の方々にもアメリカ在住の私たちが感じている危機感をいち早く察知して欲しいなと思います。
自分だけでなく家族や大切な周りの人達の為に外出は控えましょう。